資金調達 その2

dixannees2008-11-05


一般的に言えるのは、やはり自己資金で始める人が多いということ。
参考にした本に登場するお店のほぼ半数は、
自己資金又は身内からの借金で始めているようでした。
中には“全額融資”という人もいましたが(今ではとても有名なお店)
それって普通ならあり得ない話です。
金融機関は、比較的庶民にやさしい公的なところでさえも
自己資金額を重視します。
ましてや民間のところなら自己資金が無くて全額貸して欲しいと
言ったところで、耳すら貸してくれないというのが定説です。
それを本の記載通り“全額融資”を受けたというなら、
よほど強力な担保があったか、コネがあったか…という理由以外には
考えられません(多分…)。
いずれにせよ、
一小市民には全く想像の範疇を超えた取引が
成立したということでしょう。
万事に於いて恵まれていたということですね。
それはそれでその方の持って生まれた運命といえます。
商売でも成功していそうなので、強運の持ち主とも言えそうです。


いやぁ、あやかりたいものです(笑)。



もう一つ、参考本に登場した興味深い話。


それはその本の著者の友人のケースとして紹介されていました。
その友人の方は開業する際に親戚にお金を借りたらしく、
無事にオープンし、営業を続ける中で盆暮れには贈り物をするなど、
きちんと感謝の気持ちを形にして相手に届けていたそうです。
しかし、それ以外にも親戚の子供などの祝い金やら何やらを
渡さざるを得ない状況がその後も延々続くという。


一時的なお金を借りただけではなく、
孫の代まで続きそうな一生の恩まで受け取ってしまったという
笑うに笑えない話です。


なので、その本の著者は断言していました。
開業資金を親戚、知人から借りてはいけない、と。


結構、この言葉は私の頭の中に残りました。
実際、貸してくれそうな親戚はそれほどいるとは思えないのですが、
例え貸してもらえたとしても、自分だけならいざ知らず、
実際の血縁である親が、
後々まで何かに付け負い目を感じることがあれば申し訳ないなぁ
と思ったからです。
それに、私自身も、なんとなく親戚とそういうことで縁を深めるのは
あまりいいように思わないので、やっぱり親類縁者からの借金は
考えませんでした。


どうせ借りるなら、全くの第三者である金融機関から
大っぴらに借りようと。
そのほうが精神的にすっきりします。



  * * *


そして肝心の自己資金ですが、
これはもう一心不乱(に近いくらいに…)貯めるしかないですね。
会社勤めをしている間に着々と貯めるのが、
一番確実で容易な方法だと思われます。
会社員ならボーナスもあるでしょうしね。
ちょっと本気で貯金していけば、すぐに貯まるような気がします。


あとはもう朝昼晩を問わずに我武者羅に働く。
これも結構貯まります(笑)。
だって、お金を使う時間そのものがないから、貯まるしかないのです。
時間がないことを口実に散財に繋がる付き合いも断りやすいですし。
本気で貯めるならこれくらいの犠牲は仕方ありません。
私の場合はそれほどそういう催しが好きなほうではないので、
別に困ることはありませんでしたが…。


なんにせよ、開業しようと思ったらその日から貯金を始めるくらいの
勢いで進んで行くしかありません。


まぁ世の中にはもっとしなやかにスマートに生きている人たちも
いるとは思いますが、
とにかく、元手がなければ話にならないということですね。
当たり前過ぎる話で恐縮ですが……。


それと、何をおいても“計画”です。
これが本当に重要です。
資金を貯めるなり、集めるなりするのも、
きっちりとした計画が必要です。
いかに実現可能な計画を立てられるか、
そして、それに基づいて行動できるか、
これが開業における重要なカギだと思います。


また、自分に対する計画と同時に、
三者に明確に自信を持って説明できる計画が必要です。


お金を借りるにも開業計画を求められます。
この計画が雑であったり、無謀な内容であったりすれば、
恐らく門前払いで終わるでしょう。


かなり昔ですが、花屋をしていて資金不足になったとき、
融資申込をするにはしたのですが、
時間がないこともあり、何の下調べもせずに
ぶっつけ本番的に必要書類を記入し、面談をしてもらいました。
金額はかなりびっくりするくらいの少額(だっと思います)です。
(とりあえずの運転資金と考えていたので…)
それでも見事に却下されました。


額の大小ではなく、やはりその事業の将来性とか、
計画性とか、いろんな材料を総合的に判断して
結論を出すのですから、当然の結果だったと思います。


あの時は、下手に融資してもらわなくて良かったと思います。
あのまま無理矢理続けていたら、結局は身動き取れなくなっていた
かも知れないからです。


というわけで、やはり小さくても事業は事業です。
きっちりと計画を立てなければ、いずれ潰れる運命にあると思います。
これはあくまでも経験則ですが、本質でもあるように思います。



  * * *


これから開業しようと思っている方が、これを読んでいるとすれば、
いろんな本などを参考にしながら、
まずは計画を立てることをお薦めします。
売上げ予測にしても何にしても、最初にきっちりと計画を立てていれば、
のちのち融資の手続き等も楽にできると思います。
重要なのに結構後回しにしてしまいがちです(ややこしいので…)。
私だけかも知れませんが…。



以上、資金調達についてのアレコレでした。