古本とギャラリーと

dixannees2009-04-10

前から一度採り上げようと思っていたことに、「古本の需要」があります。
以前、ネットで古本販売をしていたことがあり、その時に買い取った古本や、古書市で入手したもの、さらに古本屋でせどったものなど、そこそこの量の古本を所蔵していたのですが、なかなか外勤とネット古本屋の両立が難しく、ほとんど開店休業状態のまま放置していたため、当然のことながら、それらのかき集めた古本たちも家でおとなしく眠らされていたのです。
(期せずして長文になった為、「ギャラリー」については次回へ)




そして今回、雑貨屋を開くにあたり、
本に関することも店でやりたいと思っていたので、
まずは手持ちの古本たちを、とりあえずダーッと並べてみました。


売れる、売れないは別にして、
自分が取り扱いたい分野、自分が好きな、興味がある分野ばかりを
揃えていますから、
必然的?に雑誌類も多くなります。
(ファッションや雑貨やインテリア、料理…etc)


それら雑誌も書籍も全部まとめてダーッと並べているのですが、
意外なことに多くのお客様がその本棚の前で立ち止まり、
古本を1冊、1冊とページをめくってご覧になります。


私としては、日本人は新しいもの好きで、
古いものに対して抵抗を感じる人が多いと思っていたのですが、
意外に自然に古本に手が延びているようなのです。
元々、その方が好きなジャンルの本だからかも知れませんし、
欲しかった本がたまたまあったのかも知れません。
いずれにしても、わりとみなさんが古本に興味を示してくださるのです。


まぁ、もっとも今はちゃんと1冊1冊古本の価値を判断し、
それ相応の値段を付けたりといった管理にまで手が回らず、
どうせ何年も家で眠っていたものだから、
それらが必要としている方の手元に旅立ってくれるだけでも有り難いと、
どれでも1冊300円で販売しているからかも知れません(苦笑)。


薄い雑誌も、分厚い画集も、今はどれでも300円なのです。
我ながら大胆な行動に出ているなとは思います。
掘り出し物やめちゃくちゃお得な買い物ができる方もいるわけです。
自分なら喜んで棚を物色するに違いありません(笑)。


いずれにしても、
古いものでも価値を見出し、必要と感じてくださったり、
“本(活字、文章※ビジュアル主体のものもありますが…)”そのものを
大事に考えてくださっている方が多いことは、
本当に嬉しく思います。


私の場合、別な場所では、その場所の客筋に合わせて?
乱雑に扱ってしまっていたりする本ですが、
本心では自分の店の古本と同じくどれも大事に扱いたいのです。
しかし、絶え間なく大勢のお客様が押し寄せる
有名な駅前新刊本屋にあっては、
そう大事に扱ってくださるお客様ばかりではありません。


そうすると、そうした無残な状態の本を見ると、
なぜかその本に八つ当たりしてしまう自分がいます・・・。
おかしな話ですが、なぜかそうしてしまうのです。
その無残な本を通してその本をそうさせた人に対して
抗議したくなるのかも知れません。


とにかく八つ当たりは止めなければなりません。
しかし、乱暴に扱う人々がいなくならない限り、
私の抗議の矛先も変わらず、無くならないような気も
しなくもありません。


本を大事に取り扱うという考えが
端から無いように思われる方もおられます。
片付けができない方も大勢います。


そうした極めて俗っぽい世間に接している自分と、
静かで穏やかでのんびり時間が流れている自分の店にいる私
(内心焦燥感は有りますが…)。


どちらも私自身に違いないですが、
今後の人生はもうそろそろ後者の自分で
落ち着きたいと思っています。


年も年ですし、
いつまでも器の小さい人間ではいられませんからね。。。